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SDGsバッヂをつけたら最初に取り組む働き方改革~サーキュラーHR3周年セミナー【第2回】開催レポート

2022年9月16日

「SDGs」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?

環境保全や、エネルギー問題などをイメージする方が多いかもしれません。

「SDGsの基本にあるのは『人』です。貧困をなくすこと、飢餓をゼロにすること、ジェンダー平等を実現することなどが目標のひとつとして掲げられています」とサーキュラーHRの稲葉編集長は言います。

「SDGsバッヂ」を身につける人も増えていますが「誰ひとり取り残さない」というSDGsの理念は、本当に社会へ浸透しつつあるのでしょうか。

「人材ロスゼロ」を目指すサーキュラーHRの活動が3周年を迎える2023年に向け、お届けしている3回連続セミナーの2回目。 「SDGsバッヂをつけたら最初に取り組む働き方改革」と題し、2022年7月に行われたセミナーの模様を、ダイジェストでご紹介します。

 

コミュニケーションのアップデートなくして人的資本経営なし

セミナーでは、まず稲葉編集長から、「人的資本経営」や、働き方改革の前提となる考え方についてお話しました。

昨今、注目を集めている「人的資本経営」とは、「人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方(※1)」のこと。以前、サーキュラーHRの記事でも取り上げています。

そのための制度を整えることはもちろん大切ですが、前提としてまず考えなければならないのが、働く人が一人の人間として尊重され、個人が価値を発揮できる環境が整っているかどうかです。

「病気になることも、育児や介護に携わることもなく、毎日9時から18時まで何十年も働き続けられる人を企業が働き手=労働力として想定しているならば、それは現実的ではない、いわば『架空の存在』です」と稲葉編集長は言います。 日本企業では、そのような『架空の存在』の枠組みに自身を当てはめることができない事情がある人は正当な評価を受けられない状況が長く続いてきました。

人という資源を大切にすることは、枠組みの外側にいて、不利益を被っている人たちの声に耳を傾け、想像力を働かせることでもあります。 人的資本経営を実現するためには、経営層やマネージャーと、働く個人とのコミュニケーションをアップデートさせ、労働力という『架空の存在』の関係から人間と人間の関係に変化させる必要があるのではないでしょうか。

 

 

人的資本の豊かさが、社会全体の利益につながる

SDGsの課題に対し積極的に取り組んでいる企業であっても、男女の賃金格差や、雇用形態による待遇の違いを解消できていないケースは、世界的にも珍しくありません。

そんな中、日本でもコーポレートガバナンス・コード(上場企業が守るべき企業統治の行動規範)が改訂され、人的資本に関する情報開示が義務づけられるようになりました。

稲葉編集長は「アファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)について、逆差別だという指摘もありますが、まずは社会の中に特権を享受している人たちがいて、自分自身もその特権を前提に物を見ているため、さまざまな差別に気づかないという事実を自覚しなければなりません」と語ります。

また、「自身の利益が侵されるのではないか」という恐怖心が、差別の動機になるケースも少なくありません。 「社会のことを知らず、会社の中だけで生活している人にとって、多様な個人の存在を認めると、アイデンティティを揺るがされるように感じるのではないでしょうか。会社の外に出て多様な価値観に触れ、自信がつけば、自然とほかの人を応援できるようになると思います」(稲葉編集長)

 

 

セミナー終了後も、参加者の方々からダイバーシティ&インクルージョンやアファーマティブ・アクションについてさまざまなご質問をいただき、充実した時間となりました。

お忙しい中、セミナーにご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。 次回のセミナーも、詳細が決まり次第お伝えいたしますので、ぜひお気軽にご参加ください。

 

 

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